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全数検査と抜き取り検査の特徴、定義、違いなどについて、分かりやすく解説しています。

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全数検査と抜き取り検査の特徴、定義、違いなどについて、分かりやすく解説しています。

全数検査と抜き取り検査の違い


 抜取り検査と全数検査
ちなみに英語では、抜取検査を「random inspection」、全数検査を「full inspection」と言うようです。

全数検査は、検査ロットの全数について、その製品の1つ1つを検査するので、全数検査を完全に実施すれば、その製品の品質を完全に保証できる。
しかし、ボルトやナットのように安価で細かい部品(数の多い部品)で時間と費用をかけて全数検査するのは、不経済であり、現実的ではない。
特に電球の寿命試験や、鋼材の引張試験などのように、その製品を破壊したり(破壊試験)、製品としての価値が無くなる検査方法では、
全数検査を行うことは不可能である。このような場合に、抜き取り検査を適用することとなる。
抜取り検査は、検査ロットから試料を抜き取って調べて、その結果をロットの判定基準に照合して、そのロットの合否を判定する検査である。
したがって抜取り検査は、全数検査よりも検査個数が少ないため、検査費用と時間が少なくて済み、経済的(現実的)である。
しかし一方で検査に合格したロットの中に1つも不良品が入っていないとは断言はできず、試料の抜取り具合(数、頻度など)によって、
良いロットを悪いロットと判断したり、その逆の場合もある。
このようにそれぞれ特徴があるため、どのように使い分けるかが問題となってくる。



 

 




 

全数検査と抜き取り検査 ケーススタディ


全数検査が必要な場合
不良品が1個でも混入することが許されない場合、例えば、耐圧容器の耐圧試験などは、その不良が人命に危険を与えるため全数検査をする。


全数検査が有利な場合
①全数検査が簡単に行うことができる場合(電球の点灯試験など)
②検査費用に比べて、特に製品が高価な場合(テレビ、自動車、時計の性能検査など)

抜取り検査が必要な場合
①破壊試験の場合(材料の引張試験など)
②連続体やカサものの場合(フィルム状のもの、電線、紙などの連続体や、石炭、石油、薬品などのようなかさもの)

抜取り検査が有利な場合
①多量、あるいは多数の物、ある程度の不良品の混入が許される場合、(ねじ類など)
②検査項目の多い場合
③不完全な全数検査より高い信頼性が得られる場合
④検査工程や検査費用を少なくしたい場合(費用対効果の観点)
⑤生産者に品質向上の意欲を与えたい場合

抜取り検査を行う場合の条件として、
①製品がロットとして処理できること
②合格ロットの中にも、ある程度の不良品が混在していても許されるもの
③試料の抜取りがランダムにできること
④品質基準、検査規準が明確であること
等の条件が満たされたときのみ適用されるもので、どんな場合でも適用できるものではない。



 

 




 

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