品質管理の基本|初心者に分かりやすいサイト > IE手法 ライン作業分析について解説②
IE手法 ライン作業分析|工程管理も品質管理の一環ですよ、ということで、IE(Industrial Engineering)の作業分析について、数ページにわたって詳しく解説しています。その第2ページ目です。
IE手法|ライン作業のデメリット
IE手法の解説 第2ページ目です。
では1ページ目の続きで、今度はライン作業のデメリットです。
1つ目は、1工程のトラブルが即全体に影響を及ぼす。ということです。
1ヶ所のトラブル(工程ストップ)が全体のラインストップを招いてしまうので、
作業管理、設備管理、資材の安定供給がライン運用の重要なポイントになります。
2つ目は、作業分割のバランスをとらないと工数ロスが大きいということです。
ライン設計が悪いと、常に手待ちが発生してしまいます。
いかに各工程のバランスを取るかが重要になります。
3つ目は、設備や人が固定化しやすく、製品種類、量などの
変化に対する柔軟性が少ないということです。
作業分担や複雑な作業等で、人、設備が固定されるため、
機種替えの時など、フレキシブルな対応が困難になるときがある。
多品種少量生産を効率よく行うには、相当な
工夫(例:段取り改善等)が必要になる。
以上のようなデメリットがあげられます。
さて、ラインはどういうものか、どんな特徴があるかを知っていただいたところで、
いよいよライン作業分析の説明に入っていきます。
IE手法|ライン作業分析とは?
3.ライン作業分析とは
サイクルタイムとラインを構成する各工程の作業時間をグラフに表して(視覚化)
サイクルタイムと各工程間のロスを明確にし、改善の着眼点を得る手法です。
また、編成効率(ラインバランス)を算出し、数値でもラインの状態を把握する
ことができます。
例にある図は、ラインを構成する各工程の作業時間とサイクルタイムとの差を
視覚的に表したピッチダイヤグラムというものです。
この後の、具体的な進め方で詳しく説明して行きます。
IE手法|にライン作業分析の手順
それでは、具体的にライン作業分析の手順、進め方を説明して行きます。
まず最初にすることは、ラインを構成する各工程を個別に時間研究することです。
別の講義で、時間研究については説明があったかと思いますが、後に改善を行うので
出来るだけ詳細に動作を分けて観測し、記録を採って下さい。
次に、時間研究の結果から、オペレーションリストを作成します。
要素作業の内容、各要素作業毎の時間値、どの工程(作業者)の作業かが
分かる様にまとめます。
次にサイクルタイムを算出します。
算出の前に、サイクルタイムとは何かを説明したいと思います。
一般的には、1つの作業が完了してから、次の作業が完了するまでの時間のこと。
繰り返し行われる作業でその1回に要する時間のことを言います。
ちなみにタクトタイムは、製品1個をどれだけの時間で生産すべきかという時間値のことで
日あたり稼動時間(定時)/日あたり必要生産量で求めます。
不稼動時間とか引かない、単純な割り算で目標などに使われます。
続き⇒ IE手法|ライン作業分析についての解説③