品質管理の基本|初心者に分かりやすいサイト > IE手法 ライン作業分析について解説
IE手法 ライン作業分析|工程管理も品質管理の一環ですよ、ということで、IE(Industrial Engineering)の作業分析について、数ページにわたって詳しく解説しています。
IE手法の「ライン作業分析」について解説します。
1.ラインとは
物が完成するまでの一連の作業を、複数の工程に分割して、各工程は独立して同時に作業を行っていきます。
工程間を手送りまたはコンベアでつないで、一定のスピードで製品を完成方向へ流していきます。
工程の最終では、一定の間隔で完成品がアウトプットされるこのような作業形態をいいます。
2.ラインのメリットとデメリット
まずラインのメリット1つ目として「運搬工数が少ない」ということがあります。
物が移動する。運搬距離が単純。移動距離が短い。
ということで、
各工程が連結されており、コンベア上を物が移動して行くので、物があっちへいったり
こっちへ行ったりする事がないので、工程間運搬の手間が0といってもよいほどです。
また、運搬・移動の経路が単純で且つ短いといったことが言えます。
次に2つ目として「管理が容易」ということがあります。
作業管理面では、 ラインのスピードで作業スピードをコントロールできる出来高管理面では、
インとアウトを管理するだけで済む。
トラブル処理面では、 異常時は、ラインが止まるのですぐに分かり、また管理者が早く対応が出来る。
ということで、汎用機が並ぶ職場と違い、夫々の工程を管理するという事がなく、
ラインへのINとOUT、あとは異常時だけを管理すればいいので、
管理ポイントが少なく、管理が容易と言えます。
作業を分割しているので、1工程毎の作業は単純化しやすく、
新人でも繰り返し作業を行うので短期間で作業が習得でき、配置人員に柔軟性が持たせられます。
3つ目として、工程内容が単純化していると、ロボットや設備などによる自動化ができる事も
あります。
1工程毎の作業を単純化しやすいと言いましたが、これは事前にそうしていないと、
本講座で説明するライン作業分析による改善が進まないということにもなるので、
相反すればデメリットにもなりうるということなので、
事前に工程毎の作業を単純化するということは、
ライン作業設計時において重要なポイントといえます。
次に4つ目として、「仕掛かりが少なくてすむ」ということがあります。
工程が同期化しているので、工程間の仕掛かりがない。
各工程内の標準手持ち量が常に保持されるように、各工程内が連動するので、仕掛かりがないといえます。
場合によっては、工程間に標準手持ちとして仕掛かりを持つ場合もありますが、
汎用職場と比べて、仕掛かりは少ないと言えます。
この各工程内の標準手持ち量を常に保持される様に、各工程内が連動する仕組みを、
フルワークシステムといいます。作りすぎのムダを防止する仕組みの1つなので、覚えておいて下さい。
また、汎用職場でのロットで行う様な生産に比べ、工程待ちがないので、
生産リードタイムが短かく、生産量に比べて、工場面積が少なくてすむという事も言えます。
以上の4つがラインのメリットとして、上げられます。
続き⇒ IE手法 ライン作業分析について解説②