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ppk 工程能力 計算式は
・(規格上限ー平均値)÷(標準偏差×3)
・(平均値ー規格下限)÷(標準偏差×3)
の値の小さい方をそのラインの工程能力指数として採用します。

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ppk 工程能力 計算式は
・(規格上限ー平均値)÷(標準偏差×3)
・(平均値ー規格下限)÷(標準偏差×3)
の値の小さい方をそのラインの工程能力指数として採用します。

ppk 工程能力


<ppk 工程能力 計算式>

ppkとは、Process Performance =工程能力に、偏り(かたより)=Katayori のkを合わせたものです。
ちなみに指数は、index ですが、この場合は省略されています。

また、cpk Process Capability という言い方もしますが、これらの定義はその会社や組織などによって異なります。

計算式は双方とも同じなので問題は無いですが、一般的には工程内や相対的に前の方の工程の場合はcpkを用いて、出荷検査などの後工程ではppkを用いる、といった場合もありますし、cpkしか使わない組織もありますし、逆にppkしか使わない組織もあります。

このあたりの違いは大勢影響はありませんので、あまり気にしなくてよいと思います。

また、工程能力を計算する場合に覚えておかなければならないのが、正規分布という考え方です。

正規分布とは、データをストグラムなどのグラフに起こした際、グラフが山のような形状をしているかと思います。(平均辺りが最も山が高く、裾野(規格上限、規格下限)へいくほど山が低くなっていくというもの)

これが、ある程度左右が均等になっていて、一つの山のような形状(一峰性)をしているものを「正規分布している」という言い方をします。

山が二つあったり、片方の裾野だけが絶壁のようになっていたり、その他「これはお山の形状じゃないな。。」という状態でなければ、基本的に正規分布と見なします。(この辺りの線引きは若干曖昧です)

そして昔、賢い人が発見した分布(≒法則)で、正規分布していれば「標準偏差(σ)の1倍(1σ)に全体の約68%が存在し、2倍(2σ)に全体の約95%が、3倍(3σ)に99.7%が存在するというものがありますが、工程能力指数はこの考え方を用いているのです。

ここが分かっていれば概ね大丈夫です。


 

ppk 工程能力 計算式


<ppk 工程能力 計算式>

まず工程能力の考え方として、どの会社でも組織でも不良品出したくないわけですが、自分たちの製造ライン(工程)はどの程度の不良品を出すリスク(確率)があるのか?を統計的に数値で知ることができるという点に端を発します。

それには先述のとおり、
・測定データ(たくさんの)
・基準値と公差
・データの平均値
・標準偏差
が必要になります。そして算出式は

(規格上限ー平均値)÷(標準偏差×3)
(平均値ー規格下限)÷(標準偏差×3)

の値の小さい方をそのラインの工程能力指数として採用します。

これはどういうことかと言いますと、例えば測定したデータをヒストグラムで表してみると分かるのですが、横軸にある程度の範囲毎の数値があり、極端に低い方の数値や、逆に極端に高い方の数値は少ない(=山が低い)と思います。そして平均値あたりの山が一番高くなっていると思いますが、その山自体は、規格の上限から下限のちょうど真ん中に来ているとは限りませんよね。

規格中心=平均値ではないですよね、という意味です。規格中心≒平均値であればいいのですが、多くの場合はどちらかに寄っています。

そして上記の計算式は、規格上限と平均値の間がどれくらい余裕があるか? また平均値と規格下限の間にもどれくらい余裕があるか?を比べて、余裕がない方をその工程の工程能力指数としましょう、という意味です。

そのどれくらい余裕があるか?を判断する基準として、標準偏差を用います。

標準偏差とは何か?というところからご説明しますと、測定データには当然のことながら「バラつき」があります。
例えばクラス全員の体重を測定して、全員が全く同じ数値と言うことはありえないのと同じで、製品を測定すれば、そのデータにバラつきは出ます。そのバラつきの平均を標準偏差といいます。
※算出式にするとちょっとややこしいですが、考え方としてはそういうことです。

そして前章にて少し触れました、標準偏差(σ)の1倍(1σ)に全体の約68%が存在し、2倍(2σ)に全体の約95%が、3倍(3σ)に99.7%が存在するの説明に入ります。

先ほど説明しました標準偏差の値は、あくまでもバラつきの平均値ですので、標準偏差と個々のデータと比べますと当然、データの値が標準偏差を超えているものが存在します。

測定データが正規分布していれば(ヒスグラムが概ね一つのお山のような形をしていれば)、この標準偏差の値を超えない確率は、約68%となります。

※バラつきは当然、平均から高い方にも低い方にも発生しますので、平均から+1σ、平均から-1σ で合わせて±1σの中に約68%が入るということにになります。(σ=シグマ=標準偏差)
これは σ の2個分になりますので、「2σ」と表現してもいいのですが、一般的には「±1σ」と表現します。

では標準偏差の2倍の値であればどうでしょうか。この値を超えない確率はもっと高くなりそうですよね。そうです、今度は約95%が超えません。(こちらは ±2σ )

最後に3倍ですとどうでしょうか。3倍もあればほとんど超えることは無さそうですね。そうです、約99.7%が超えません。こちらは ±3σ になり、この場合は 6σ(シックスシグマ)と言ったりします。


では計算式に戻りますが、

(規格上限ー平均値)÷(標準偏差×3)
(平均値ー規格下限)÷(標準偏差×3)


規格上限から平均までの値を 3σ で割っていますね。これは上限から平均までの値が、ちょうど 3σ と同じ値であれば、答えは「1.0」になりますよね。 
また規格限界から平均までの値が、σ の4倍くらいあると、4÷3で、1.333333... となりいわゆる、1.33ということになります。

工程能力指数の計算式というのは、このようにできています。
ですから割られる数(上限から平均までの値)が大きいほど、工程能力指数は大きくなる(高くなる)ということになります。
上限から平均までの値が大きいということは、その製品は規格に対して余裕があるということになります。

ちなみに設計的な考え方をしますと、製品の規格を決める時は、このように製品の実力値ありきで、規格上限/下限を設定する場合もあります。
(当然、製品に必要な規格に製品の実力を合せるのがセオリーですが)


如何でしたでしょうか、お分かりになりましたでしょうか。


 

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