品質管理の基本|初心者に分かりやすいサイト > 工程能力|CPKの計算方法の解説とエクセルフォームをプレゼント
工程能力|CPKの計算方法の分かりやすく解説しておりますし、エクセルフォーム(データを入力すれば自動で算出される!)を無料でダウンロードできるようになってます!ぜひご活用ください。
工程能力指数(CPK)ってややこしいですよね。ネットで工程能力を説明したサイトをよく見かけますが、あまり
よく分からないのが多いです。私も会社の人に聞いたり、本を読んだり、ググったりしましたが、色々な媒体を
時間を掛けて見て、やっと理解ができました、「そういうことか!」と。 ここでは私が理解するに至った
プロセスを簡潔に分かりやすく、最短ルートでご説明します。 私は実際に仕事でも当たり前のように使って
ますし、部下や後輩にも説明して理解を得ていますので必ず「そういうことか!」と言って頂けると思います。
まず、工程能力|CPKは、抜き取り検査で得られたデータをもとに、母集団を予測する、という統計学です。
そもそも、工程で作ったものを全数検査するのが大変、とか物理的に無理、とかとにかく全数検査ができるので
あれば、工程能力など求める必要はありません。しかし現実には、時間的、経済的な制約も多いです。ですので
抜き取り検査で得られたデータから、母集団を予測して数値化してみて、その数値が一定の基準を満たしていれば
「この工程は問題なし!」という判断をしよう、もし満たしていなければ工程の見直し(改善)をしよう。そして
この「数値化」したものが工程能力|CPKであり、「一定の基準」が、いわゆる「工程能力1.0以上とか、
工程能力1.33以上」というやつです。まずはこの概略の理解をしてからです。
工程能力指数(cpk)の算出に必要な数値は以下のとおりです。
・抜き取り検査の平均値
・標準偏差
・その製品の規格上限、下限
です。これらを用いて、以下のような考え方で計算をします。
規格上限値から、データの平均値を引きます。そしてそれを標準偏差に3をかけた値で割ります。これは何をやって
いるかというと、規格上限からデータ平均までの間に、標準偏差を3倍したものが「何個入るか?」を見ている
わけです。例えば、針金などの材料を自動で一定の長さに切断する機械があったとして、これを全数長さを測定
するのは大変なので、抜き取りで数十個くらいのデータを取って工程能力(cpk)を算出するとします。
規格は、上限:12.0mm、下限:8.5mmとしますね。(こんな精度の粗い規格は無いですが。。^^;)
そしてデータ平均が10.5mmで、標準偏差が0.5でした。この場合、規格上限から平均までは1.5mmですね。
そして標準偏差に3かけた数値が1.5になりますね。そして1.5(上限から平均)割る1.5(標準偏差かける3)で
工程能力は1.0 となります。これは規格上限から平均までの間に「標準偏差かける3」が「1個入る」という
わけです。ちなみにこれは工程能力の片側を求めたい場合と同じ考え方です。
一方、データ平均から規格下限までの値はというと、10.5引く8.5で、2.0になりますね。そしてまた同じように
2.0(平均から規格下限)割る1.5(標準偏差かける3)をすると、工程能力は1.33333≒1.33となります。
これはつまり、データ平均から規格下限までの間に、「標準偏差かける3」が「1.33個入る」というわけです。
工程能力1.33ということは、標準偏差=σ(シグマ)が4つ分=4σということなので、工程能力は問題なし!
と言えるわけです。
が、ここでご注意いただきたいのが、規格下限側は工程能力(cpk)1.33ありますが、規格上限側は、1.0しか
ありませんでしたね。ですので、この場合は値の小さい方を当然採用しますので、この工程の能力は1.0という
ことになります。