品質管理の基本|初心者に分かりやすいサイト

未然防止型QCストーリーを使ってみよう!品質トラブルや事故を防ぐために,未然防止型QCストーリーをどう使いこなせばよいのかを知って,問題・課題の種類・範囲を広げることで職場の品質,コスト,量,納期,安全などにお役立て下さい!

品質管理の基本|初心者に分かりやすいサイト > 未然防止型QCストーリーを使ってみよう!

未然防止型QCストーリーを使ってみよう!品質トラブルや事故を防ぐために,未然防止型QCストーリーをどう使いこなせばよいのかを知って,問題・課題の種類・範囲を広げることで職場の品質,コスト,量,納期,安全などにお役立て下さい!

未然防止型QCストーリーの必要性


未然防止型QCストーリーを使いこなそう

最近の品質トラブルや事故を見ると,「うまくやつておけば防げたのに」と思えるものが少なくありません。これにはいろいろな理由がありますが,お客様のニーズが多様化するにつれ品種が増えたこと,生産性向上のために多くの人や組織がそれぞれ得意な部分を分担して製品・サービスの提供を行うようになってきたことが大きく影響しています。したがつて,この傾向は今後もますます強くなると思われます。
「うまくやっておけば」と後悔するような品質トラブルや事故を防ぐためにはどうすればよいのでしようか。これらは,言われてみれば当たり前のことに気づいていなかったこと,対応できていなかったことが問題ですので,事前に起こりそうなトラブル.事故を洗い出し,対策しておくことが大切です。
未然防止型QCストーリーは,このような取組みを進める場合の改善のステップをわかりやすくまとめたものです。しかし,実際に活用してみようとすると,どのような場面で適用すればよいのか,どう使えばよいのかなど,疑問が出てきて,うまく使いこなせていない場合も多いようです。

以下では,「未然防止型QCストーリーを使いこなそう」と題して,なぜ,未然防止の取組みが必要なのか,未然防止型QCストーリーを適用する際のポイントはどこか,どんな場面でどう使えばよいのかについて,紹介したいと思います。また,適用に際してよくぶつかる疑問についてもQ&Aの形でわかりやすく答えたいと思います。

「うまくやっておけば」と思える品質トラブルや事故を防ぐために,未然防止型QCストーリーをどう使いこなせばよいのかを学び,サークルやチームとして取り組める問題・課題の種類・範囲を広げることで職場の品質,コスト,量,納期,安全などの確保に役立ててもらえればと思います。
 

未然防止型QCストーリー|例えば、、


何も起こらないことが最大の成果

未然防止は一人ひとりの心の変革から

「自分だけは大丈夫,わが社だけは大丈夫」の心の変革


交通事故で入院した経験を振り返ると,当時の私の心の中には「自分だけは大丈夫」という変な自信が宿っていたようです。

残業後に自転車(今でいうロードバイクタイプ)で帰宅途中,駐車中の乗用車に気づかず追突し,空中を飛んで後ろのガラスを破り室内に突入し,顔面を50針縫って3週間入院の不始末。現場は片側2車線のまっすぐな道で,こちらの前方不注意が事故の原因です。小雨が降っていましたが,「こんな夜に駐車している車はないだろう」と通い慣れた道を飛ばしていた私の心は,「自分だけは大丈夫」という思いに満ちていたのです。後年,運転免許更新の場で教わった,「だろう運転から,かもしれない運転へ」という言葉に深く反省させられたものです。

一方で,世の中の出来事には「わが社だけは大丈夫」と思っていたかのような事象を見
ることができます。このことは,働く一人ひとりはもとより,組織として関わる全員の心の中に「わが社だけは大丈夫」という心が共通して宿り,それが行動につながった結果だと思います。

未然防止を進めるには,まず自分自身,組織の全員の心から,「自分だけは大丈夫,わが社だけは大丈夫」という心を変えることから始めることが必要です。

 

未然防止型QCストーリー|考え方


世の中の出来事を自分事と考え素直に学ぶ

読者の皆様は,幅広い業種で商品やサービスを提供されていると思います。お客様の満足を高めるためには品質(Q),原価(C),納期(D)の継続的向上とともに,職場での安全(S),モラール(M),環境(E)の継続的向上も欠かせません。

しかし,先述した世の中の出来事では,提供する側の配慮に欠けた行動の結果がお客様の信頼を裏切ることとなり,組織の業績や存続に大きな影響が生じた姿が見られます。昔の商人の言い伝えとして,「商いとは飽きないこと,飽きないで誠心誠意続けていると空きがなくなる(空きない)」という言葉を聞いたことがありますが,仕事に携わる全員が共有したい考え方です。

では,商品やサービスにまつわる事件,事故,不祥事から何を学んだらよいでしょうか。大切なのは,対岸の火事と見るのではなく,いかに自分事と考えるかということです。つまり自社の仕事にそのままあてはまらなくても,原因とみられるプロセスは,自社のプロセスでも起こりかねないと想定することができ,その防止策を考えることに役立ちます。


想定外をなくし続けるためのヒント

未然防止では,悪い事態を予測・予知して防止.回避の策を講じることで,結果として何も起こらないことを目指します。しかし現実には,想定が抜けたり,想定した事態を過小に評価したりなどの理由により,“想定外”が発生します。また,予測・予知したにもかかわらず,防止.回避のための経営資源の配分が行われず,対応が不十分であったり,対応が遅くなるなどにより深刻な事態を招いてしまった例もあります。

だからといって,未然防止は難しいと諦めてしまってはいけません。今よりも少しでもより良く予測・予知することに取り組むべきです。世の中の出来事や企業・組織の中での情報に対する感受性を高め,「明日はわが身」とつねに考えることを勧めます。私が教わった「だろう運転から,かもしれない運転へ」の言葉はまさにピッタリの考え方です。「だろう」と思ってしまうとそこで思考停止してしまうのに対し,「かもしれない」と考えるのは,ともすると悲観的に映るかもしれませんが,悪い事態を未然防止する思考を進めるヒントとなります。


「だろう」
・悪い事態は起こらないだろう
・大きな事態にはならないだろう
・ここまでやったら防止策は十分だろう
・回避策はこれで十分だろう

以上のような事を下のように考え方を置き換えてみましょう。

「かもしれない」
・悪い事態は起こるかもしれない
・大きな事態になるかもしれない
・ここまでやつても防止策は十分ではないかもしれない
・回避策はこれでは不十分かもしれない


⇒未然防止型QCストーリー 続きはこちら




 
 

メニュー