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工程能力指数cpkをエクセルで計算する式を解説しています。例を用いて、片側だけ(上限のみ、下限のみ)の規格や、両側(上限下限)の規格の場合など。実際にエクセルに計算式を入力したファイルをご用意していますので、活用下さい。

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工程能力指数cpkをエクセルで計算する式を解説しています。例を用いて、片側だけ(上限のみ、下限のみ)の規格や、両側(上限下限)の規格の場合など。実際にエクセルに計算式を入力したファイルをご用意していますので、活用下さい。

工程能力指数をエクセルの計算式で


 CPK算出式は、規格上限から下限内(=規格内)に σ(ばらつきの平均)が何個入るかを算出するものです。

規格内にちょうどσが6個入ると、CPK値が 1になるようにできています。片側なら、規格上限から規格中心、
若しくは中心から下限内に3σがいくつ入るか、となります。規格中心から規格上限方向と規格下限方向を両側といい
規格中心から規格上限方向のみ、若しくは規格下限方向のみを片側と呼んでいます。
よって両側が6σなので、片側はその半分の3σとなります。

⇒工程能力指数、CPK 自体の詳しい説明はコチラ(当サイトの別ページです)

σ(シグマ=ばらつき)が小さくなると、分母も小さくなるので値が大きくなる=CPK値が大きくなる=工程能力が高い となります。そしてエクセルの計算式ですが


CPK=MIN((UCL-AVE)/(3*σ),(AVE-LCL)/(3*σ))


※UCL:Upper Control Level=規格上限
   (Upper Critical Limit という場合もあり)
 LCL:Lower Control Level=規格下限
   (Lower Critical Limit という場合もあり)
 AVE:AVERAGE=平均値
 σ:シグマ=標準偏差

となります・実際にエクセルでは、「UCL」「AVE」「σ」「LCL」を計算しているセルを入力するだけです。

では、次章にてこの計算式の解説をしています。




 


 

エクセルの計算式を解説


この式では、「MIN 関数」(ミニマム)を使用しています。
意味は、「,」コンマで区切られた左側の値と右側の値で
何れか小さい方の値を使う、となります。
「小さい方を使う」というのは、規格値(規格中心値)があって規格上限値、規格下限値があります。

それに対して測定値がありますが、測定値の平均が必ず、規格中心と同じ、とは限りませんね。
ほとんどの場合、中心から左右のどちらかにブレます。そして例えば、測定値の平均や測定値の分布が、
中心から左側(下限側)にブレていたとします。すると規格下限から見た場合、分布のすそ野の方は
規格下限との余裕が、規格上限側に比べて無くなりますね。ですから上限側か下限側か、余裕の少ない方の値を
用いてCPK(工程能力指数)を算出します。

そうすると規格上限側は、余裕が十分あるのに損ではないか、、と思いがちですが、余裕のある方の値で
算出してしまうと、本当は問題がある(この場合ですと下限側は工程能力が低い)にも関わらず、
CPKを見て「問題無し」と誤った判断をされてしまいますので、MIN 関数等を用いて、数値が悪い方を用います。


さてさて次章にて、エクセルファイルに計算式を入力した、
工程能力指数算出マシーンを貼っておきますね。^^



 


 

工程能力指数 算出マシーン


⇒こちらをクリック頂ければ、エクセルファイルに計算式を入力した
「CPK(工程能力指数)とその不良率算出マシーン」が自動的にダウンロードされます。



使用方法は、水色のハッチング部分に計算式が入っていますので、そこは触らないで下さいね。(セル:7の段~11の段)
そして4の段に「規格値(規格中心)」を入力頂き、5の段には「規格上限(UCL)」を、そして6の段には「規格下限(LCL)」を入力してあげて下さい。3の段は、例えばライン番号とか、製品名などご自由にお使いください。
例として、Bの行に数値を入力してあります。これは規格が「17±4mm」という製品なので、規格上限は21で下限が13となります。
規格値を入力すると、12の段からの測定データを入力するセルがピンク色に変わるようになっています。これは規格外の数値があった場合に目立つようになっており、規格内の数値を入力すれば、ハッチングが消えるように条件設定しています。
ちなみに例として入力しているデータですと、平均値が約17.15で、標準偏差(バラつきの平均)が1.28、不偏分散(※)が約1.64で、CPKが1.00なっていますので、予想不良数は約2,700となっています。単位を「ppm」としていますので、「製品を10万個 作ると、約2,700個不良が出る」という意味になります。

⇒ppmの説明はコチラをご覧ください。(当サイトの別ページです)

CPKが1.0の場合の不良率は、一般的には「約0.3%」と言われていますが、もう少し詳しく言うと「約0.27%」なのです。もっと詳しく言うと、、話が長くなりますので、基本的には約0.3%で問題ありません。


※不偏分散は簡単に言いますと、ひとまずは「分散と同じ」という理解でよいです。詳しくは



 

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