品質管理の基本|初心者に分かりやすいサイト > 品質管理 データの取り方について分かりやすく解説!
品質管理 データの取り方についての基本的な内容を分かりやすく説明しています。データを取る目的やデータの取り方、そのあとのデータの活用の仕方やQC7つ道具にも言及していきます。
品質管理 データの取り方 ~目的~
正しいデータの取り方
事実をありのままに表すようにデータを取るためには、次のことを念頭に置いておいてください。
①データを取る目的をはっきり知っていること
データを取るとき、「このデータは何のために取るのか」というデータを取る目的を
しっかりと把握しておく必要があります。これが曖昧なままデータを取ると肝心な部分を見落としたり、
不要なデータを取ってしまったり、データを取った条件が分からなくなったりすることがあります。
このようなデータを取ると誤った情報を得ることになり、間違った判断を下すことにもつながりますので、
注意が必要です。苦労して取ったデータが使いものにならなくなります。データを取る目的を知るためには、
「このデータはどのように、何に使用されるのか」というデータの使い道を調べてみることです。
逆にデータの使い道を知れば、データの取り方自体が正しいのか、などを見直すこともできます。
品質管理 データの取り方 ~条件~
②データが取られた条件をはっきりさせておくこと
データはそれが取られた条件を、誰が見ても分かるように事実を正確に示しておく必要があります。
事実を正確に示すためには、5W1Hでまとめておくとよいでしょう。このデータは、
何を(What)
誰が(Who)
いつ(When)
どこで(Where)
どのように(HOW)
取ったのかを具体的に示すことです。なぜ(Why)は、先述したデータを取る目的という認識でよいでしょう。
これが5W1Hになります。うまく使いづらいこともあろうかと思いますので、ケースバイケースで
分かりやすくアレンジしてもよいと思います。要は目的を理解して、適切なデータが出来上がればよいのです。
更に、作業データを取る際の標準、基準をはっきり示すことです。データシートなどを予め作成しておいて、
決められた方法で、誰がやっても事実を正しく表現できるようにしないといけません。
品質管理 データの取り方 ~忠実に~
③データは事実を忠実に示すように取ること
一般に、私たちが扱うデータは、調べようとするものの全体を完全に調べてデータを取るという場合は、
ほとんどありません。例えば、1日何千個と製造されるネジの寸法を1個1個全部を測って、そして平均値を出し、
標準偏差を出し、グラフにプロットし、、などということは現実的に不可能ですし、それだけ時間を掛ける
意味もありません。多くの場合、全体のごく一部、品質管理においてはサンプル(試料)といいますが、
そのサンプルを調べてデータを取っているのです。そのようなときのサンプルは、調べようとしている全体を
代表するようなものでなければなりません。全体を表す縮図のようなものです。ですので代表となり得る
サンプルを取るには、全体からまんべんなくサンプリングすることが大切です。例えば、同じ条件で同時に
作製された(これを同一ロットという)1,000個のネジがあります。このネジの品質を調べるために、
先ほども申しあげたとおり、1,000個全部は調べらないので、5個のネジだけを調べることにします。
この時、上にあるものを5個取ったのでは、偏った値が出るかもしれません。全体をよくかき混ぜて、
その中からでたらめに(ランダム=無作為)5個のネジを取るやり方をします。これをランダムサンプリング
(無作為抽出)といいます。また抜き取ったネジのサンプル(試料=調査対象)の寸法を調べる時も、
正しい計測器を使って、決められた正しい方法で測定してデータを取らないと、正しい値は出て来ません。
このように、データを取る時はいつも調べようというものの実態、若しくはありのままを如実に示すことを心掛けなければなりません。