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こんな時、未然防止型QCストーリーを使う|いろいろな場面で発生する意図しないエラーや故障に対し,どのように未然防止型QCストーリーを適用するのかを紹介していきます。
こんな時、未然防止型QCストーリーを使おう
人による意図しないエラーや設備、機器の故障は,生産現場でも間接部門でも発生します。また,いつも行っている
作業でも,新規に取り組む作業でも発生しますし,普通に生活していても発生することがあります。ここでは,この
ようにいろいろな場面で発生する意図しないエラーや故障に対し,どのように未然防止型QCストーリーを適用するのかを
紹介していきます。
いつも行っている作業で発生する意図しないエラー
ひとりセル生産で部品を組み立ているA職場では,時々発生する意図しないエラーによる組立不良をなかなか減らす
ことができないでいました。そこでサークルは,工程を細分化,作業をした時に起こるかもしれないエラ一を洗い出
し,頻度、可能性、影響度の項目で評価することにしました。評価することで,対策の必要性を判断することができ対
策もスムーズに進めることができました。そして,結果として意図しないエラーによる組立不良を大幅に減らすことが
できました。
また,受注業務をしているB職場では,問題点を整理すると7割が意図しないエラーにより発生するトラブルでした。
サークルは過去にあった意図しないエラーによる不具合や技能不足による失敗を失敗モードー覧にまとめ、
FMEA(※)を行い,危険優先指数を求めました。そして,危険優先指数をもとに対策すべきトラブルを定め,改
善を進めました。
このようないつも行っている作業で発生する意図しないエラーは,生産現場だけでなぐ病院や一般的な事務所でも発
生します。内容を分析,評価し,これをもとにまだ起こっていないけれど起こりそうなものに気づくことで,意図し
ないエラーを未然に防止することができます。
(※)FMEAとは、Failure Mode and Effects Analysis:故障モードと影響解析と呼ばれ、一般的には製品などの
故障が、ユーザーに対してどのような影響を及ぼすか?を事前の設計/開発段階などに分析することを言います。
要はKYT(危険予知トレーニング)のようなものですね。
新しい状況で発生する意図しないエラー
C機械加工職場では生産増に伴い新たに機械を導入することになりました。今までに使用経験のない機械ですので,当然,
いろいろな不具合が予想されました。そこで,サークルは加工経験者や有識者の助けを借り,計画した作業手順で
FMEA(前章参照)を実施しました。品質、作業性、安全、環境などの面から検討を行い,重大不具合につながる
リスクを多数発見して事前に対策することで,早期に立ち上げることができました。問題を見つけるには多くの情報
と経験が必要です。この職場で今まで発生した不具合を貴重な経験として,失敗モードー覧表などに盛り込み,
リスクの評価に活用することで大きな成果を上げました。
やりにくい作業を改善する
D組立職場では,初めて女性の従業員が配属されることになりました。そこで,サークルは会合を開き,やりにくい
作業を洗い出し,未然防止型QCストーリーを適用して改善を進めることにしました。工程、手順を特定して,「重
い」「距離が遠い」「姿勢が苦しい」などのやりにくい作業に対して,みんなで話し合って評価基準を決め,対策を
行ったことで,女性でも楽に作業ができる職場を実現させました。
また,作業時間も大幅に短縮することができました。
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